東京ハイヤー・タクシー交通共済協同組合

2020年の年頭にあたって

東京ハイヤー・タクシー交通共済協同組合
理事長 川村 泰利

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中は、組合員並びに関係者の皆様には、当組合の事業運営に対しましてご支援、ご協力を賜り心から御礼を申し上げます。
 昨年を振り返ってみますと、5月には天皇陛下が即位し「令和」に元号が変わり、7月には仁徳陵など大阪の古墳群が「世界遺産」に登録されました。10月にはノーベル化学賞にリチウムイオン電池を開発した旭化成の吉野彰氏が受賞するなど明るい話題がありました。一方では、4月には、東京・池袋で高齢ドライバーが暴走し母子が死亡した事故、アニメ制作会社の京都アニメーション第1スタジオが放火され、36名の尊い命が奪われました。また、東日本で台風被害が相次いで発生し、9月の台風15号では千葉県で大規模な停電が発生し、10月の台風19・21号に伴う記録的な大雨により各地で土砂崩れや河川氾濫が発生しました。
 また、10月1日には、消費税が8%から10%に引き上げられると同時に外食と酒税を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く「軽減税率」が初めて導入されました。11月には、戦後政治の総決算を掲げて改革に手腕を振るった中曽根元首相が御逝去されました。
 さて、我が国の経済に目を向けますと、米国の保護主義政策や米中貿易摩擦さらには英国の欧州連合(EU)からの離脱の行方等の海外経済の動向による悪影響や消費税の引き上げに対する懸念がある一方で、「景気は輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」とされております。個人消費については、消費税引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があり、不透明な景気の先行きを見守っている状況にあります。
 ハイヤー・タクシー業界においては、景気回復を実感できるような状況にはなく、働き方改革への対応、労働力不足、需要の低迷など深刻な問題が多く山積しております。タクシー活性化策としての、事前確定運賃の実施に続き、相乗り運賃、変動迎車料金や定額(定期券)タクシー等の検討、さらには乗務員の高齢化などこれからも厳しい経営環境が続くものと思われます。
 本年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあって、タクシー業界は高齢者や体の不自由な方々が安心して利用できるユニバーサルデザイン(UD)タクシーの導入が加速し、東タク協の導入目標であった10000台導入が確実になりました。今後は「心のバリアフリー」「おもてなしの心」をもって、世界一安全な高いサービスを提供していくことが求められており、他方では、少子高齢化社会の急速な進展の中での利用者ニーズの多様化、訪日外国人の増加、IT化の進展等を踏まえ、更なるサービスの高度化をより一層進めていく必要があります。
 このような状況の中、共済組合として組合員各社の交通事故削減にお役立て頂くため、新たに4月にはクリップスタンドPOPの作成(年4回)、11月には訪日外国人乗客向けの後部ドア開け自粛推進ステッカーの作成など既存施策を含め、積極的に事故防止対策に取り組んできたところであります。さらには、平成29年10月より導入しておりますUDタクシーの「ペダル踏み間違い時加速抑制装置購入費補助」につきまして、引き続き今年度末まで補助対象期間を延長しており、この度組合員のご協力を得て、JPNタクシーをはじめとする自動ブレーキ装置付車両のヒヤリハットアンケートを実施し、その効果を検証し、その結果を基に共済掛金への反映も考えているところでございます。
 また、交通事故発生状況につきましては、日頃の組合員の弛み無いご努力によりまして、発生件数は前年度に比べて大幅に減少しておりますが、負傷者数については、軽傷事故が大幅な減少傾向を示しているものの、死亡、重傷、中傷事故はともに増加傾向にあります。加えて依然として二輪車・自転車事故が多いことから、共済だより8月号(NO131)に「謹告」として掲載し、組合員に対して注意喚起を図ったところであります。「交通安全は全てに優先する」という考えのもと、引き続き交通事故の撲滅に向け取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
 当共済組合といたしましては、本年も組合員の経営の安定と共済組合としての特性を生かしながら、「相互扶助の精神」を基本理念に事業運営に心掛ける所存でございますので、今後ともより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 年頭に当たり、組合員の皆様方のご健勝と事業の益々のご隆盛をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

ページの先頭に戻る